<広島6-8阪神>◇8日◇ハードオフ新潟
ついにミスターを超えた。4番に座って4試合目の阪神金本知憲外野手(44)が12打席ぶりの安打を含む2安打で、通算2472安打で長嶋茂雄を抜き歴代8位となった。打線は3回と6回、いずれも2死から3得点を挙げて10試合続いていた1試合2得点以下にもピリオド。もう拙攻、貧打とはおさらばだ。
金本にとって節目の打球が中堅左へ弾んだ。1点リードの7回、今村の変化球をはじき返した。普段通りに一塁へと走り、ベース上に立った。これがミスタープロ野球・長嶋茂雄を抜く通算2472本目の安打。表情は変わらない。厳かに“長嶋超え”は達成された。
2回の第1打席では、バリントンの変化球をうまく右翼線に運ぶ二塁打。チーム初安打で突破口を開き、長嶋に並んだ。野球人生の大きな節目だが、勝敗に没頭していた。
「足し算やから。ヒットにしても、ホームランにしても、毎回、それだけ名前が出るというのは長嶋さんが偉大だということ」と、自身の記録よりも長嶋氏の偉大さに敬意を表した。20年間で積み上げてきた数字の重みは計り知れない。
開幕こそ「4番新井貴」でスタートしたが、金本に4番を託すことを決断した。ケガに苦しんだ昨季の打率2割1分8厘という数字など吹き飛ばし、首脳陣も、チームメートも納得させるだけの状態にある。長年、金本を支えるスタッフの中には、好調時のバロメーターがあるという。
(1)打球が自然に中堅より左へ飛び、かつ、スライス回転していないこと。
(2)ボールを見逃す時は左ひじが前に出ないこと。
第1打席はバリントンの低めのボールをぴくりともせず、見逃した。そして、メモリアル安打となった第4打席は高めの変化球を自然に中堅左へ運んだ。まさに、復活途上にいる証しとも言える打球だった。
華麗なプレーと、スター性でプロ野球の象徴となった長嶋氏。金本も現在の球界で一選手を超えた存在になっている。「ミスター超え」は、その不屈の歩みにふさわしい勲章なのかもしれない。【鈴木忠平】
▼金本が2安打を放ち、長嶋(巨人)を抜いて歴代8位の通算2472安打を記録した。金本は東北福祉大からプロ入り。通算安打の上位7人は高校から入団が5人、高校から社会人を経てプロ入りが門田(ダイエー)福本(阪急)の2人。大学出身では長嶋を抜いて最多安打となった。現在、金本は471本塁打、1497打点。大学出身の最多本塁打は山本浩(広島)の536本で、最多打点は長嶋の1522打点。次は長嶋の打点が目標になる。




