<日本ハム8-9西武>◇12日◇函館

 西武が5度目の対戦で日本ハム斎藤を攻略した。1回、ヘルマン、大崎の連続右前適時打で4点を奪取。2回にも失策、四球を絡め、秋山の走者一掃の適時三塁打などで5点を挙げ、プロワースト9失点でKOした。3月30日の開幕戦で9回1失点の完投負け。過去4戦3敗の天敵攻略のポイントは徹底された“作戦”にあった。

 試合前のミーティングだった。天敵攻略の作戦を1つのテーマに絞った。「佑ちゃんゾーン」の確認と徹底だった。斎藤の投球はツーシーム、スライダー、フォークなど変化球を低めに集め、ボール球を振らせるのが持ち味の1つ。3月30日の敗戦後、土井ヘッドが「いつも同じようにやられる」と振り返ったように、同じパターンにはまらないため、再度意識付けさせた。

 「学習効果」を印象づけたシーンが2つある。1回2死二、三塁、大崎の右前適時打。1、2球目のともに内角に沈む変化球を見送る。斎藤を苦しくさせ、カウント2ボールからの直球をコンパクトにはじき返した。目付けを高くしたのか、という問いに「そういう気持ちで打席に入った」とうなずいた。2回、秋山の適時三塁打も、微妙に動く初球の低めのボール球を見極め、2球目の直球を右翼フェンスまで運んだ。

 悪条件も計算済みだった。マウンドは低く、試合中は風速12メートルの強風が吹いていた。渡辺監督が「低めに投げる投手は、これだけ向かい風だと、どれだけ変化するのか、把握しにくい」と説明したように、制球を安定させるのは難しい状況だった。開幕戦は初球ストライクが32打席中22打席(6割8分8厘)だったが、この日は16打席中9打席(5割6分2厘)。ボールは全60球のうち30球。見送った、ボールになる低めの変化球は11球あった。指示を徹底させたことで、斎藤に優位な投球をさせなかった。

 安部打撃コーチは「スライダーのワンバウンドは打てないので捨てさせた。ストライクゾーンを上げて、低めの球を見極めていこうと。斎藤に対して、こうすれば攻略できるという形ができた」と評価した。セオリー通りだが、これまでは徹底できなかった。個人の能力に頼りがちな西武打線が、この日ばかりは「見極め」で相手に重圧をかけた。【久保賢吾】