不調が続いていた中日浅尾拓也投手(27)が14日、出場選手登録を抹消された。昨季のMVP右腕が今季は21試合で5度の救援失敗。本人と話し合った権藤投手コーチが無期限の再調整を進言し、高木監督が了承した。権藤コーチは「顔色を見ると(1軍、2軍の)どっちでもいいような感じに取れた。じゃあ下ろすと。そしたら本人もハイ、分かりましたと」と話した。

 2軍落ちするのは、08年6月に1軍定着してから初めて。この約4年間で、シーズンの半数に当たる283試合に投げてきた“勤続疲労”は否めない。常時150キロ以上だった真っすぐは140キロ台前半に降下。キレや制球もいまひとつで痛打される場面が目立っていた。

 権藤コーチ

 去年は球に勢いがあってボール球を振らせてた。でも今年は勝負球も甘い。それだけ気持ちも余裕がないんでしょ。これが大きな違い。でも後ろで投げる投手は心が強くないと務まらん。技術面が3とすれば心の病が7だね。

 山本昌の白星を2度消してわびるなど、優しく責任感の強い性格がより自身を追い込んでいると分析。当面、2軍のナゴヤ球場でミニキャンプを張らせ、心身ともにリフレッシュさせる。そして最短10日間での復帰にはこだわらず、無期限降格の方針で再起を待つ。

 首位ながら浅尾不在で戦う交流戦。代役には新人ながら15試合防御率0・00の田島と、20イニング無失点中の山井を起用。吉見や川上も離脱中の非常事態を一丸でしのぐ。【松井清員】