<広島0-1楽天>◇16日◇マツダスタジアム

 これぞ守護神、楽天青山浩二投手(28)が名ストッパーの仲間入りだ。やっと1点を先制した延長11回、涼しげな表情でマウンドに上がった。最速149キロの直球でぐいぐい攻め、1番からの上位打線を3者凡退。チーム6試合連続セーブで史上4人目の快挙を達成し、「そうなんですか」と驚いた。それでも、6連勝でチームの3位浮上の原動力になっている右腕は両手でガッツポーズを作って喜んだ。

 一昨年からセットアッパーに定着し、今年で7年目。コツコツと歩んだプロ野球人生の原点がある。入団して間もない06年、昨年まで楽天に在籍していた山崎(中日)に殴られたことがあった。打球が飛んだ後、一塁や本塁へのベースカバーの反応が遅れていた。それに対して山崎が試合後のベンチで激怒。「野球人生で初めて殴られましたよ。しっかりしないといけないと思いました」。雑だった自分を反省し、投球だけでなく丁寧なプレーを心がけるようになった。守護神は1人1人を丁寧に打ち取ることが仕事。「今につながってると思います」と青山にとっては忘れられない出来事だった。

 離脱中のラズナーの代役ストッパーだったが、星野監督からも「青山はラズナーが帰ってきても(守護神で)、という感じになってきたな」と高い信頼感を寄せられた。今日17日にセーブを挙げればプロ野球新記録となる。「(明日も)頑張ります」。守護神にまで成長し、ますますたくましくなった。【斎藤庸裕】

 ▼楽天は9日西武戦から6連勝となり、この6試合すべて青山がセーブ。チームの6試合に続けてセーブは、01年5月小林雅(ロッテ=6日連続)05年8月岩瀬(中日)07年7月藤川(阪神)に並び4人目のタイ記録だ。青山登板時の点差は1点、1点、1点、1点、3点、1点と、6試合のうち5試合が1点差。過去3人は1点差で登板が小林雅3試合、岩瀬0試合、藤川1試合と、青山は厳しい場面での登板が多い。