<阪神1-4日本ハム>◇17日◇甲子園

 日本ハム栗山英樹監督(51)の選手起用がはまった。6回だ。失策に乗じて2点目を奪い、なお2死一、三塁から代打スレッジが走者一掃の三塁打。一気にこの回、3点を奪って、主導権をつかんだ。直後の守りでは、2死満塁のピンチで乾がブラゼルを空振り三振に仕留め、盛り上がる阪神ファンを黙らせた。

 栗山監督は常々コーチ陣に「試合が終わった時、ベンチに誰も残っていないのが理想」と語っている。この日も「阪神の救援陣を考えると、早めに勝負しないといけない。試合後に後悔しないようにね。絶対にこの回で決めるんだという気持ちだった」と迷いはなかった。

 9回の守りでは、監督就任後初めてマウンドへ出向き、無死一、二塁のピンチをつくった抑えの増井に向かって「せっかくの甲子園。自分の球を投げて勝負しろ」と声をかけた。新人監督の熱意が、選手に乗り移った2連勝だった。【中島宙恵】