<オリックス2-8阪神>◇23日◇京セラドーム大阪

 阪神の救援陣が最善の継投策で大型連敗を止めに行った。惜しみなく必勝リレー「TEQ」を投入。6点差をつけた9回裏には、セーブのつかない展開で守護神藤川球児投手(31)が登場。旬のルーキー川端を速球で空振り三振に仕留めるなど、3者凡退で交流戦初勝利を導いた。藤川は「また、明日!」と短い言葉で愛車へ。負の流れを断ち、先を見据えた。

 試合終盤に入りベンチは積極的に動いた。必勝パターンの筒井、榎田から藤川へ。藪投手コーチは「今日は絶対に落とせない試合だから。セーブ、ホールドにかかわらず、監督も『これで行くよ!』ということだった」と明かした。ブルペン陣が総力でオリックス打線を抑えにかかった。

 敵の反撃意欲を完全に消したのは7回に登板した筒井だ。中村、鈴木に全て直球を投げ、鮮やかな連続空振り三振。「やられた次の試合を大事にしている。連続してやられたら、次に使いにくい投手になってしまう」。前回登板の20日楽天戦(甲子園)は1回2/3を5失点でKO。リベンジに燃えた3者凡退だった。

 頼れる好投手がよどみなくバトンをつないだ。8回は榎田が手堅く無失点。前日22日は中8日のマウンドに戸惑ったが、この日は本来のリズムで投げた。「気持ち的に楽に投げられた。点差も開いていた。自分のことをやるだけ」。まさに「鉄球」のごとく、TEQは重い球質のボールを容赦なく投げ込んだ。連敗の風向きを変える完璧なリレーだった。【酒井俊作】