<阪神1-0ソフトバンク>◇11日◇甲子園
ソフトバンクがたった1つの失策で負けた。あまり喜怒哀楽を出さない秋山幸二監督(50)がこの夜ばかりは違った。「しょうもない点の入り方。打たれて取られるならまだしも。もったいないというより、一番痛いよ」。とんがった口から不満が漏れた。「あれをやっちゃいかん。よく考えんと」。今季初の怒りモードだった。
矛先は1人に向いた。山田の熱投を支え続けた細川だ。0-0の8回1死三塁。野手にサインを伝達し、1ボールからの2球目だった。捕球直後の三塁けん制は松田のグラブに収まらず、帰塁した三塁走者・田上を直撃。ファウルゾーンを転々とする間に決勝点を許した。悔やみきれない適時失策のランプが点灯。好リードの評価は一瞬で吹き消された。
「キャンプもオープン戦もずっとやってきているし、走者がすごく出ているというのもあった。そういうところでアウトにすれば投手も楽になると思った…」。報道陣に取り囲まれた細川はうつむくことなく、前を向き、最後に「惜しかった」とぽつり。責任を感じている男に対し、秋山監督は断罪の、そして今後に向けたムチを振り下ろした。
「リードは大きくない。あの展開でゴロゴーはないんだから。下が土のグラウンド。シチュエーションを考えんと」
甲子園では、人工芝のように打球は高く弾まない。内野ゴロで本塁突入は考えにくく、無理する場面ではないと指摘した。話しながら思わず「チッ」と舌打ちも。思わぬ形で連勝が止まり、腹の底にたまった怒りを珍しく吐き出した。【押谷謙爾】



