<オリックス5-4DeNA>◇14日◇京セラドーム大阪

 岡田オリックスに孝行息子が出現した。先発した2年目右腕の塚原頌平投手(19)がプロ初勝利をあげた。7月8日に20歳になる、もっか19歳11カ月の若武者。オリックスで10代の勝利投手は95年の平井(現中日)以来となる快挙だ。負ければ岡田監督の阪神時代も含めた監督生活でワーストの借金11となるピンチを救った。

 点差はわずか1点。最後はハラハラしながら先輩投手の投球を見守った。

 塚原

 途中でマウンドを降りたので、本当にドキドキしました。甘えることなく、なるべく早くと思っていたし、チャンスがもらえて勝てて良かったです。

 先発は4月30日西武戦以来2度目。先発陣の一角だった木佐貫が故障で戦列を離れ、チャンスが巡ってきた。4回にラミレスに2ランを浴び、6回は1死から安打、四球とピンチを招いたところで交代を命じられた。「ラミレスにはフォークが抜けた。四球もあったし次があるなら気をつけたい」と話した。

 「まだ19歳だしものすごい戦力になる」と将来性を評価する岡田監督も「6回を乗り切ったらホンマの1勝やったけどな」と辛口で祝福。「(交流戦後は)10連戦もあるからな。木佐貫の代わりになればな」と期待をさらにふくらませた。

 ウイニングボールは父の日が近いため父昌之さん(44)に贈る。昨年も父の日に贈り物をしたが、今年は「初勝利がほしい」と言われていた。最高のプレゼントを父と指揮官に贈った。【高垣誠】

 ◆塚原頌平(つかはら・しょうへい)1992年(平4)7月8日、茨城・結城市生まれ。つくば秀英で甲子園出場経験はなし。10年ドラフト4位でオリックス入団。推定年俸510万円。特技は空手。184センチ、80キロ。右投げ左打ち。