<ロッテ5-8阪神>◇16日◇QVCマリン
阪神和田豊監督(49)が故郷で逆襲のノロシを上げた。白星を届けてくれたのは、主軸の爆発だけではない。台頭を願ってやまない若虎の奮闘があった。序盤の猛攻の火付け役は、2戦連続の1番起用となった野原祐だ。初回にいきなり右前打を放ち、ロッテ香月の動揺を誘った。続けとばかりに、小宮山が猛打賞。新井良がマルチ安打に、田上もヒットを打った。
若手育成が特にクローズアップされている。14日の株主総会で株主から世代交代を望む不満の声が上がった。和田監督は「まだこれからだから」と若手を含むナインの活躍を信じていた。起用した若手がそれに応えた。フレッシュな男たちが快音を響かせると、嫌でもチームは盛り上がる。新井良は出塁するたびに、味方から温かいヤジを浴びた。本人は「(内容は)企業秘密です」と豪快に笑った。「1打席、1打席、必死にやるだけ」と言えば、野原祐も「また一生懸命がんばります」。この必死の姿勢はチームにも広がる。ベンチに活気が出てきて、待ち望んだ風景だ。
今季初の先発全員安打は、打線に勢いがなければできない記録だ。14日の西武戦を競り勝ったことで、和田監督も上り調子の手応えをつかんでいた。「ベンチもそうだし、ファンもこういう試合を待ち望んでいた。打ち勝つ試合は本当に久しぶりだ」。千葉は阪神にとって、上昇気流に乗りやすい球場だ。07年には最終回に9得点を挙げる大逆転劇が生まれ、借金9からの早期完済につながった。
今年もその再来を感じさせる攻撃だ。「反撃は故郷千葉からにしたいね。明日取って、5割に戻す。明日は大事な試合になる」。交流戦最終戦は勝率5割復帰のかかった一戦。和田監督が慣れ親しんだ千葉の空気を追い風にする。



