<ロッテ5-8阪神>◇16日◇QVCマリン

 阪神マット・マートン外野手(30)が守備でキラリと光った。暴言騒動の発端は、本塁への悪送球。途中出場で左翼に入ったマートンは、打球処理から中継プレーで本塁突入を阻止した。ノーモア、ニルイドウゾ。代打で放った7回の遊ゴロも安打性の鋭い当たりだった。気分すっきり、悩みのトンネルを抜けそうだ。

 笑顔のナインが三塁ベンチで待っていた。マートンは次々とハイタッチを交わす。8回裏のプレーは、復活の予兆になるかもしれない。2死一塁で今江が左翼線を破る二塁打を放った。クッション処理に少し手間取ったが、捕球すると、素早く遊撃の鳥谷に投げた。中継プレーで本塁生還を阻止。最終回の追い上げを考えると、大きな守備だった。

 際立った返球ではないが、特別な意味があった。暴言騒動のきっかけになったのが、本塁への送球だ。9日のオリックス戦で拙守を問われ「I

 don’t

 like

 Nohmi-san」の言葉を吐いた。この日、マートンは取材に応じなかったが、3試合ぶりの守備機会でモヤモヤを吹っ切る可能性は十分にある。代打で登場した7回の打席は遊ゴロに倒れたが、強い打球だった。和田監督は「あれにHマークがつくかで、気持ちも違う。もうひと息だ」とスランプ脱出を間近にとらえた。

 心強い助っ人も現れた。広島と阪神で活躍したシーツ駐米スカウトが前日15日に来日。約1週間、チームに同行することになった。国際スカウト担当の三宅部長は「ボールも変わっているし、長い間、こっちにいなかったから、見てもらうために来てもらった。もともと来る予定はあった」と説明した。統一球による日本球界の変化を感じ取ってもらい、外国人調査にフィードバックするのが本来の理由だ。

 そんな中で、もうひとつのミッションが発生した。悩めるマートンのカウンセラー役だ。この日はさっそくフリー打撃の前に、数分間会話を交わした。和田監督もシーツとの再会を喜び「いい機会なんでね」と完全復活のアシストを期待した。きょう17日の交流戦最終戦は、左腕成瀬が先発予定。マートンの先発起用の可能性はある。リーグ戦再開までに自信を取り戻したい。【田口真一郎】