ロッテ唐川侑己投手(23)が近日中に出場選手登録を抹消され、20、21、23日の球宴を辞退することが13日、濃厚になった。ハーラートップタイの8勝目を挙げた5日の楽天戦で右肘の張りを訴えた。その後、次回登板を決めず、遠征に同行しながら回復を確認。だが「少しずつ、よくなっているけど、思ったほど回復していない」と表情は晴れなかった。そしてこの日、福岡に移動後、首脳陣が離脱を決断した。

 西村監督は「回復具合が思わしくなかった。抹消します。球宴も無理はさせられないでしょう」と明かした。球宴を辞退することになると野球協約第86条の規定により、球宴後の10試合に出場できない。出場可能となるのは8月5日のオリックス戦以降と、1カ月近くの離脱を強いられることになる。球宴が重ならなければ、より早い時期に復帰できたが、不運としか言いようがない。6月も右肩の張りで3週間離脱しており、再びローテーションから名前を消すことになった。

 ここまで首位を堅持してきたチームは7月に入り、失速気味。この日のソフトバンク戦も延長10回サヨナラ負けし、引き分けを挟んで今季ワーストの4連敗を喫した。交流戦終了時はAクラス圏の3位に8ゲーム差をつけていたが、今や3位楽天まで3・5ゲーム差と追い上げを許している。

 開幕序盤からローテーションを回してきたルーキー藤岡、ベテラン渡辺俊が不振で2軍落ち。6勝のグライシンガーも背中の張りを抱え、今カードは回避する。11日の日本ハム戦でベテラン小野、この日は上野がともに今季初先発で好投した。だが軸となる投手で万全なのはエース成瀬だけと、手薄になった感は否めない。台所事情は苦しくなるが、試合は待ってはくれない。唐川不在の今を辛抱強く、戦うしかない。

 ◆野球協約第86条(出場選手の自動抹消)

 オールスター試合に選抜された選手が、オールスター試合出場を辞退したとき、その選手の出場選手登録は自動的に抹消され、所属球団のオールスター試合終了直後の年度連盟選手権が10試合を終了する翌日まで、再び出場選手登録を申請することはできない。オールスター試合前から出場登録を抹消されていた場合も同様の扱いとする。