阪神坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)と中村勝広GM(63)が今日17日に初会談することが、16日に分かった。今オフの大型補強を中心に話し合う。日本人メジャーリーガーや新外国人、ドラフト会議などの方向性を確認する模様で、状況次第では、戦略を見直す可能性も出てくる。

 電鉄本社と球団編成部門のトップが今日17日に会談を行うことが、明らかになった。中村GMの就任時にあいさつを交わしたが、話し合いの場を持つのは今回が初めて。チーム再建に向けて、じっくりと意見を交換することになる。

 2年連続Bクラスという非常事態を脱するために、今オフ補強の成否が命運を分けると言っても過言ではない。シーズン終了後に、南球団社長-中村GM-和田監督の極秘会談を皮切りに、坂井オーナーと和田監督の会食も行われた。球団と現場の首脳が会談を重ねるのは、来季の失敗が許されない状況にあるということを物語っている。チームは明日18日から秋季練習を開始し、和田阪神は2年目のシーズンに突入する。その直前のトップ会談は大きな意味を持つ。

 金本、城島が現役を引退し、大きな転換期にある猛虎は血の入れ替えでチームを活性化する方針だ。その目玉補強となるのが、日本人メジャーリーガーの獲得だ。ツインズ自由契約の西岡に対しては、日本シリーズ終了後に初交渉を予定し、入団は決定的な状況になっている。

 問題は福留の動向だ。和田監督の要望もあり、外野手強化のターゲットに挙がっている。しかし現状ではDeNA有利という声もある。中村GMは条件面の上積みを視野に長期戦を覚悟しているが、それによって他の補強で後手を踏む恐れもある。同GMはこの日、外国人補強に関して「11月にズレ込むのは確実。いろいろ交渉して遅くなる。年内には決着するだろうが、急展開は考えられない」と話した。

 あくまで日本人メジャーリーガーを最優先に交渉する構えだが、失敗した場合、補強戦略がブレてはチームの建て直しが遅れる。外国人やドラフト補強も含め、トップ会談で今後、向かうべきベクトルを整理する模様だ。話し合いの結果次第では、戦略の見直しに発展する可能性がある。