【グアム11日=広重竜太郎、為田聡史】巨人坂本勇人内野手(24)が3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け“国際仕様”の準備に着手している。グアム自主トレ第2クール2日目のこの日、通常のメニュー終了後にウエートトレーニング、砂浜ダッシュを敢行した。へとへとになるまで体を追い込み、内容の濃い1日を終えた。

 阿部、長野の日本代表候補メンバーとのグアム合同自主トレ。真っ黒に日焼けした姿には、より一層のたくましさが増した。「ウエートをやりに行ってきます。せっかく12月から継続してやってきたので、ここでやめたらもったいないし」。打撃練習とランニングなど約2時間半の全体メニューを終えると、1人でスポーツジムに向かった。

 成果は見違えるような“バスト”に表れている。昨年1月は96センチだった胸囲が10センチアップし、106センチにまで到達。「自分でも筋肉がついてきたかな。でも、まだまだです」と、本人はおどけるが、厚みを増した胸板でパワーアップにつなげる。下半身も砂浜で鍛え上げ「本塁打がもう少し増えればいいですね」と、話していた課題克服に真っすぐと突き進んでいる。

 外国人投手に力負けしない肉体だけではなく、打撃の意識もWBC仕様だ。ロングティーでは「強いライナー、強いライナー」と、呪文のように唱えながら力強いスイングで低弾道の打球を打ち返した。短期決戦は1点の重みが増すことはいうまでもない。ポイントゲッターとして確率が高い打撃がチームの勝利に直結すると理解している。

 用具の準備も怠らない。「国際試合はスライディングも激しくなる」と、スパイクは軽さ重視よりも外側が補強されたモデルを使用。接触プレーでも負けるつもりはない。肉体改造、短期決戦を勝ち抜くための打撃、接触プレーへの対応。「大事なことは続けることと勝つこと。そのために準備できることは準備します」と坂本。灼熱(しゃくねつ)の南国の地でひときわ、熱く語った。