<オリックス0-1ソフトバンク>◇6日◇京セラドーム大阪

 これがエースの仕事だ。ソフトバンク摂津正投手(31)が今季初の中5日登板で8回を4安打無失点。15勝目を挙げた。9回に柳田の勝ち越し弾が出た瞬間、ベンチで大きな声を上げバンザイ。「柳田様々ですね」とお立ち台は打のヒーローに譲り、静かに球場を後にした。

 低めへの制球が抜群だった。5回先頭の川端に中前打を許した。8番宮崎の初球、バスターエンドランを予測したかのように、ボールゾーンへスライダーを投げ投ゴロ併殺で切り抜けた。「我慢すること。ミスしないこと」と、オリックス西との投げ合いも、テンポよく0を並べた。秋山監督も「よく投げてくれた」と最敬礼だ。

 前カードの日本ハム3連戦では先発がいずれも4回もたずにKO。4日は今季最多の10投手を起用し、パ・リーグ史上最長の6時間1分の激闘だった。摂津もベンチ裏で最後まで戦況を見届けていた。前日5日も4時間を超え、6投手が投げていた。摂津は「それは考えていました」と中継ぎ陣の疲労を考慮し1人で投げ抜く覚悟だった。

 8回、119球で抑えの五十嵐にバトンを渡した。高山投手コーチは「根性だね。オレがやらなきゃ誰がやるというのを見せてくれた」とエースの意地と責任感を褒めた。

 2年連続15勝は球団では10、11年の和田(オリオールズ)以来。右腕では12球団でも07~09のダルビッシュ(レンジャーズ)以来だ。ダル級の安定感だからこその中5日。同じ登板間隔を続ければ、18日の首位楽天戦で登板する。残り24試合、可能性がある限り前を向き続ける。【石橋隆雄】