<オリックス8-0日本ハム>◇28日◇京セラドーム大阪

 満を持して、球史を塗り替える時がやってきた。日本ハム中嶋聡捕手兼任コーチ(44)が、8回に守備で出場。野手ではノムさんこと野村克也氏を抜き、実働年数27年となり史上最長となった。この日、今季3度目の出場選手登録をされて即出場。投手も含めると、中日山本昌と並んで歴代2位タイとなった。「今までの人に失礼」と精いっぱいの敬意を示した。

 暗い話題ばかりのチームに、明るいニュースを呼び込んだ。相手はくしくも27年前にプロ生活をスタートさせた阪急の流れをくむオリックス。大差をつけられてからの出場も、3番手乾とバッテリーを組み、3者凡退と好リードした。試合後は「あんまり深いことは思わない」と控えめも、最下位のチームにベテランのパワーを体現してみせた。

 老いとも闘いながら、節目を迎えた。今年で44歳。ビールを水のように飲む大のビール党で有名だったが、今年は乾杯の1杯だけになった。「ビールはおいしいけど、飲めなくなった」。マイブームは芋焼酎のソーダ割りで「芋の甘みが出ておいしいんだよ」と年を重ねて気づいたこともあった。“おじさんの星”は、まだまだ終わらない。【田中彩友美】

 ▼プロ27年目の中嶋が今季初出場。1軍の試合に出場した実働年数が27年となり、82~10年工藤(西武)の29年に次ぎ、86~10、12、13年山本昌(中日)に並ぶ2位。野手では野村(西武)の26年を抜いて実働年数の最長記録となった。また、中嶋は横浜時代の03年を除いてパ・リーグの球団に所属しており、パ・リーグで実働26年は野村に次いで2人目のタイ記録。