神様が、また1つ歴史をつくった。ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、神宮通算100号。2点リードの3回1死。カウント2-2。中日メヒアのスライダーを左越えへ運び、今季7号ソロを五月晴れの神宮に描いた。

ゴールデンウイークの記憶は「野球ばかり」と話す若き4番は「子どもだけじゃなく、大勢のヤクルトファンの皆さんの前で打てたのはうれしいことです」。24歳3カ月での大台到達は、19年のヤクルト山田の26歳10カ月を超え、史上最年少での記録達成。「たくさんホームランを打ちたい。もっともっと記録を伸ばせるように頑張りたいなと思います」と忘れられない1発を積み重ねていく。

あの日も忘れない。プロ1号も、この神宮から生まれた。18年9月16日の広島戦。2回1死一塁から右翼席へ弾丸ライナーを着弾させた。「プロ初打席初安打初本塁打」の衝撃デビュー。「感触まではないすけど、あの雰囲気とか。あの1打席目というのは大きく残ってます」と、かみしめるように言う。

第1歩を踏み出した1年目はその1本に終わるも、翌年から30本前後をアベレージとし、22年には日本人選手最多の56発。同年には史上最年少の3冠王も戴冠した。気付けば通算198本。半数以上を神宮でかっ飛ばしてきた。「これというのはあまりないですけど。全てにおいてしっかりとしたホームランが打てている」。200本塁打まで残り2本。「そんなに気にはしていないですけど、しっかり打席を送れればホームラン出ると思う」。

目指すは「速い1発」。海の向こうではドジャース大谷が4月に191キロの打球速度をマーク。村上も「出せるポテンシャルは僕自身にもあると思う。実際に2年前に190キロ以上出しているんで、そういう確率を上げていければいい」。プロ1号の持つ意味は? 「始まりです」。神様が理想とする感触、速さを追い求め、走り続ける。【栗田尚樹】

▽ヤクルト高津監督(2軍監督時代から成長を見守る村上に)「今日ね、サードのフェンス際のフライを捕ったときに、昔をちょっと思い出しました。あの辺が一番苦手なあれだったので。もちろんバッティングはね、ずっと見てすごいなと思って見ていたんですど」

【動画】村上宗隆、史上最年少24歳3ヵ月で神宮球場100号を達成