トリ残留決断!

 昨季取得した海外FA権を保有する阪神鳥谷敬内野手(32)が残留する意思を固めたことが6日、分かった。FA宣言をしないでチームに残ることが濃厚だ。長年の夢であるメジャー挑戦を選択するか、阪神でV奪回を目指すかで悩み抜いた末に結論に至った。今日7日にも球団に通達するとみられる。今後は通常の契約交渉に移り、例年通り単年契約を希望する見込みだ。

 縦じまユニホームに袖を通し、9年ぶりのV奪回を-。どうしても、沸き上がる感情を抑えきれなかった。FA申請期限日となる13日の7日前。鳥谷が早々と阪神残留を決断したことが分かった。

 昨季取得した海外FA権を今季も保有。シーズン終了直後には「権利を持っているのでしっかり考えたい。時間をかけて、これからゆっくり考えたい」と権利行使に含みを持たせていた。早大時代からメジャー挑戦に強いあこがれを持つ。海外FA権を初取得して迎えた昨オフは「メジャーか残留か、どちらにも傾いていない」という状態から期限ギリギリまで熟慮を重ね、権利を行使せず単年契約で合意した。今オフも再びメジャー挑戦を視野に入れていた。

 今、日本人内野手にとってメジャー挑戦はいばらの道に違いない。西岡、川崎、中島、田中…と近年、海を渡った内野手は苦戦している。成功とは言い難い数字が続き、日本人内野手にメジャー契約自体が難しい情勢だ。それでも鳥谷が厳しい道を選ぶ可能性は十分あった。メジャー関係者の話を総合すれば、FA権を行使した場合、実際に鳥谷獲得に動く可能性があるチームは存在した。

 ではなぜ、五分五分の状態から残留に傾いたのか。最大の要因は生え抜き10年目を終えたチームに対する感謝、愛着に他ならない。鳥谷に近い関係者によれば、楽天が初めて頂点を極めた日本シリーズをテレビ観戦し「阪神で優勝したい」という熱い思いを再確認したという。以前、こう語った。「(プロ2年目の)05年は優勝させてもらった感じ。今度はしっかり引っ張って優勝したい」。クールな面がクローズアップされがちだが、人一倍責任感の強い男。恩返ししたいという気持ちは固い。

 例年、毎年が1年勝負というスタンスを貫く。今オフも海外FA権を行使せず、単年契約を希望するとみられる。来オフ、再びメジャー挑戦を視野に入れる可能性はある。ただ鳥谷の目標にブレはない。悲願のV奪回へ。退路を断ち、戦闘準備を整える。