生涯ホークスへ!

 ソフトバンクが内川聖一外野手(31)に最大4年も見据えた新たな複数年契約の提示を検討していることが24日、分かった。横浜からFA移籍し、今季で4年契約の3年目が終了。6年連続打率3割のバットマンは順調なら来季中にFA権を再取得するため、球団は長期契約を組み直しての引き留めを模索しているようだ。

 内川については、球団幹部が夏場から「来年FAを再取得することもあり、新たな契約も考える」と繰り返し、今オフの契約交渉が注目されていた。両者の話し合いで、3年前に合意した4年契約の4年目を破棄し、新たに2~4年の複数年契約が提示される可能性がある。球団にとっては、早ければ14年オフのFA流出危機を回避できるメリットがある。内川にとっては最長で35歳になる18年シーズンまで契約が保証されることになる。

 そんな球団事情を察したのか、はたまた球団の差し金か?

 北九州市で開催されたトークショーでは無邪気な“少年記者”が内川に直球を投げ込んだ。

 「次に行きたい球団は?」とストレートな質問に驚いた内川は「僕は正直(他を)考えていません。いらないと言われると別ですが、いいファン、ドームに恵まれているし、今のところないです」と笑顔で答え、喝采を浴びた。

 イベント後は「僕はそのつもり」と生涯ホークスを念押しした。このオフには残り1年の契約と新たな複数年、2つの提示を受ける可能性もあるが「来年までやり通してからか…。内容次第で考えます。でも複数年を提示してもらえるような選手にならないと。それと、チームが今後どうしていくのかもちゃんと聞きたい」と慎重に語った。

 ソフトバンクにFA移籍した11年に史上2人目の両リーグ首位打者となり、日本一に貢献。3年連続ベストナイン、6年連続打率3割と、今やチームに必要不可欠の存在。福岡のテレビCMに出演するなど地元人気も高まりつつあり、球団も1年前倒しして引き留めに動くことになりそうだ。【押谷謙爾】

 ◆内川の4年契約

 10年オフに横浜からFA宣言した内川にソフトバンクは4年契約を提示。次回FA権取得までの身分を保障するもので、条件は総額で5億6000万円~13億6000万円の変動制。背番号24とともに、破格の大型契約で広島、横浜との争奪戦を制した。出来高払いは首位打者、リーグMVP、日本一となった11年は1億5000万円あったが昨年は5000万。