ドラ1同盟結成だ!

 阪神伊藤隼太外野手(24)が7日、ドラフト1位指名の横浜商大・岩貞祐太投手(22=必由館)の全面バックアップを約束した。旧知の後輩を刺激に、3年目となる来季の巻き返しへとつなげる。

 「ピッチャーと野手で違うこともあるけれど、こっちに来たらできる限りのサポートはしたい」

 境遇が似ている。高い期待を背負うドラフト1位。関東の大学から、これまで縁がない関西へ。共通点の多い後輩岩貞に、伊藤隼が手を差し伸べた。プロの心構えから、ドラフト1位にしか分からない悩みの相談、そして関西の特徴まで-。これまでたった2回しか関西を訪れたことのない岩貞にとって、2年先輩の伊藤隼は私生活においても心強い存在だ。

 2人は2年前、11年6月に大学日本代表メンバーとして出会った。第38回日米大学野球選手権。岩貞はそこで見た慶大伊藤隼の練習への取り組みに感激した。阪神から指名されたドラフト会議から一夜明けた10月25日の取材で、「隼太さんはどうしていますか」と逆質問したほど。あらためて伊藤隼のバックアップ宣言を伝え聞くと「すごく心強いです」と声を弾ませた。

 入団から2年間、成績が振るわなかった伊藤隼にとっても後輩の入団は刺激になる。2年前の岩貞の印象を「スライダーが良かったイメージがある」。来年1月、慶大の先輩、巨人高橋由との合同自主トレを行うなど、上下のつながりを大切にする伊藤隼にとって、2月キャンプで弟分の成長に触れればモチベーションになるはずだ。緊急結成される「ドラ1同盟」で、2人そろっての開幕1軍入りを目指す。【松本航】

 ◆プロ入り後の伊藤隼

 愛知・瀬戸市出身で慶大から11年ドラフト1位で阪神に入団。慣れない関西での生活の中、1月の新人合同自主トレ中にオーダーメードの枕を購入し、疲れの軽減に気を配った。1軍スタートの春季キャンプでは球場で「チキンはやた丼」が発売されるなど、ドラ1ならではの注目を経験。新人ながら開幕スタメンを勝ち取った。1年目は22試合出場、2年目の今季も開幕1軍ながら出場30試合で、レギュラーに定着できなかった。