ルナが総大将!

 新外国人獲得のためにドミニカ共和国視察を終えた中日森繁和ヘッドコーチ(59)が12日、名古屋市内の球団事務所を訪問。球団から育成選手を含む4選手の獲得が発表された。同ヘッドは右膝を痛めてシーズン途中に帰国したエクトル・ルナ内野手(33)の活躍に太鼓判を押した。6人の大所帯にふくれ上がったドミニカ軍団をルナが引っ張る。

 たくさんの“お土産”を持ち帰ってきた森ヘッドだが、一番の収穫はルナだったかもしれない。約1カ月の視察で真っ黒に日焼けした同ヘッドは自ら切り出した。「ルナは問題なく練習しているし、ゲームにも出ている。『もう一旗』っていう気持ちもあるんじゃないか。外国人は全員、万全の状態でキャンプに来る」。自らの目で見て確認し、合格点を与えた。

 ルナは今季、23打席連続安打をマークするなど打ちまくったが、夏場に右膝を痛めてまさかの帰国。15年まで2年4億(推定)の複数年契約を結んでいることもあり、球団にとっては不安のタネだった。しかし、順調にリハビリが進み、検討していた手術も回避。11月下旬にはドミニカのウインターリーグにも指名打者として出場し、実戦復帰した。

 森ヘッドの帰国後にうれしいニュースも届いた。12月の1週目には、5試合で18打数9安打、6打点、2本塁打、打率5割を記録。週間MVPを受賞した。地元紙にもデカデカと「ルナ復活」が報じられたという。復帰直後は打率1割台をさまよっていたが、打撃については本来のパフォーマンスが戻りつつある。まだ守備には就いていないが、それも時間の問題だ。

 一大勢力となった竜のドミニカ軍団もルナがいれば安心だ。パヤノ、ゴメスら育成を含め4人のドミニカンが新たに加入するが、森ヘッドの視察に同行した桂川通訳も「年齢は関係ない。彼ならうまくやってくれる」と期待。ドミニカ・ウインターリーグ「アギラス」ではキャプテンを務める男は、軍団の仕切り役としてはうってつけだ。今季6勝のカブレラも帰国後もトレーニングを続けており、年明けには実戦登板する予定。竜にドミニカ旋風再びの予感だ。【桝井聡】