ソフトバンク松田宣浩内野手(31)が“1歩”下がって不振脱出の糸口を見つけたと明かした。29日DeNA戦の6回、中前へ21打席ぶりに放った安打がヒントだ。「モヤモヤが一気に取れた。空間が取れていなかった」とスッキリした表情で明かした。

 交流戦8戦の打率は1割1分4厘。結果を求め、無意識のうちにホームベース寄りに1足分近づいて構えていた。わずか30センチ弱とはいえ視界は全然違う。そのため、本来なら捨てている外角のボールになるスライダーにも手が届くと思い、追いかけてしまっていた。

 ミラールームでティーに球を置き、自ら実技を見せて説明。普段より狭いため、左足の踏み込みも浅く打球も弱くなっていた。この日の全体練習では、打撃投手に内角球をリクエスト。「横浜では内角がきつかった。内角といっても、僕には真ん中。今日は良かった」と、気持ちよく快音を放った。

 交流戦前まで絶好調だった時、口にしていた「ライナー打法」も再確認。「ライナー」とつぶやきながら、球の真ん中やや下の部分を加速をつけてしっかりたたくことで、打球に勢いも出てきた。

 現在、チームは3戦連続延長戦地獄にはまっている。「僕のところにチャンスが回ってきている。打点は意識している」。好機で凡打を重ねていた姿とはもう違う。チームトップ、リーグ3位の32打点を挙げているポイントゲッターの復活で、打線がつながりを取り戻す。【石橋隆雄】