目指すは同郷の戦国武将!?

 昨季5勝を挙げた中日浜田達郎投手(20)が12日、地元の名古屋市中川区で成人式に出席した。加賀100万石の礎を築いた前田利家の出生地と知られる場所で「頭を使った大人の投球をする」と宣言。織田信長、豊臣秀吉に仕えた前田利家のように、谷繁元信兼任監督(44)の天下統一を助ける。

 浜ちゃんが天下獲りの立役者になる。ビシッとしたスーツ姿で成人式に出席した浜田達が20歳の誓いを立てた。「大人の投球です。今まではがむしゃらだけだったけど、頭を使った投球をしたい」。昨季はプロ初勝利を含む5勝を挙げたが、シーズン終盤に左肘を痛めて戦線離脱。3年目の今季は進化した大人の投球で優勝に貢献する。

 戦国きってのサクセスストーリーの持ち主にあやかる。実家からほど近い荒子城跡には「前田利家卿誕生之遺址」の碑がある。成人式の会場近くの荒子駅にも地元の英傑をたたえる像が立つ。浜田達自身は「名前は聞いたことあるくらいです…」とピンときていないが信長、秀吉に仕えて立身出世した武将と出身地が同じなのだ。

 主君の恩義にどうしても報いたい。この日の紺色のスーツは谷繁兼任監督から初勝利&初完封のお祝いでプレゼントされたもの。「節目の時には着るようにしています」という大事な一張羅だ。昨年5月7日阪神戦(ナゴヤドーム)で腰痛の川上に代わってプロ初先発し、初完封。指揮官の思いきった決断がなければ、今の自分はない。だからこそ恩返ししたい。

 オフはリハビリに費やし、すでに60メートルほどのキャッチボールを開始した。2月の春季キャンプは2軍スタートが濃厚だが、開幕までに1軍を目指す。今季の究極の目標は「もう、飲めるようになったんでね」と谷繁兼任監督にビールを浴びせること。ちなみに前田利家には「まつ」という良妻がいたが…、こちらは「理想の人が見つかれば、です」と苦笑いだった。【桝井聡】