左胸鎖関節の炎症で別メニュー調整が続いている阪神ドラフト1位横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が16日、キャッチボールを再開した。鳴尾浜の室内練習場で約10メートルの距離を取り、患部の状態を確かめた。横山にとっては、21Uワールド杯決勝の台湾戦に登板した11月16日以来、ちょうど2カ月ぶりのスローイング。わずか10メートルの距離とはいえ、大きな前進となった。

 横山は新人合同自主トレ初日(8日)に大阪市内の病院で診察を受け、その後は別メニュー調整。最終決定は23日のスタッフ会議後となるが、2軍高知・安芸キャンプスタートが濃厚だ。見守った山下2軍チーフトレーナーも「距離は重視せず確認程度。状態を見て問題がなければ、徐々に投げていきます」と話したように、あくまで第1段階ではあるが、復調へのステップを踏んだのは間違いない。「ドラフト1位として情けない。出遅れた分しっかりやらないといけない」と語っていた横山の表情が晴れやかになるのも当然だ。

 経過が順調であれば、近日中にも屋外でキャッチボールを行う予定。視察した山口投手コーチが「今年はドラフトしか補強がなかった。ドラフトの選手と去年までやっていた若い選手がいっぱい(1軍に)入ってきてくれないと」と語るなど依然ドラ1左腕にかかる期待は大きい。リハビリの活力を得た横山が、着実に逆襲ロードを歩んでいる。【松本航】