日本ハム大谷翔平投手(20)が、投打「二刀流」のさらなる進化へ意欲を見せた。29日、沖縄・名護での先乗り合同自主トレで、今オフ初めて外野の守備練習をこなした。昨季は投手中心の起用の合間で、外野手出場はわずか8試合に終わったが、機会増加に前向き。実現すれば、自身の進化はもちろん、指名打者が空くためチームにとってもプラスになる。

 名護市営球場でシートノックのメニューが始まると、大きなストライドで右翼へ走った。大谷が今オフ初めて、外野守備の練習を行った。「行けと言われたら行って、そこでヒットを打てればいいと思います。準備はする。(外野守備練習のペースは)徐々にだと思います」。軸足は投手にあるとはいえ、野手出場時は貪欲に外野手での出場ももくろむ。

 昨季の外野手出場は、わずか8試合しかなかった(右翼6、左翼2)。中6日で先発ローテーションを守っているため、身体的疲労も考慮し、野手出場は「DH」が主だった。栗山監督は「まずは先発投手として機能すること。それができていないうちに負担をかけることはしない」としており、今季も投手での貢献が最優先。とはいえ、大谷の外野手出場が1試合でも増えれば、個人にとってもチームにとってもプラスになる。

 DH制のない交流戦セ・リーグ主催試合に出場しやすくなり、出場増につながる。また新外国人野手が2人加入した今季は、下半身に故障が多い中田を含め、DH候補が多数いるチーム事情もある。外野で出場できれば、大谷個人の出場数が増えるとともに、チームとしても先発オーダーの選択肢が増えることになる。

 この日のフリー打撃でも右中間へ場外弾を飛ばしたように、大谷の打撃力はチームに欠かせない武器。「今の段階で(調子が)いい悪いはないです。打席で投手の球を見てからかなと思います」。入団3年目。投でも打でも、大谷の存在感はすでにチームトップクラスになっている。【本間翼】

 ◆大谷の野手出場

 1年目の13年は野手での先発は計51試合。右翼が最多45で、左翼4、指名打者2。中心を投手にシフトした昨年は、投手以外で50試合に先発出場。指名打者が最多42試合で、右翼6、左翼2だった。