ソフトバンクから1位指名を受けた巽真悟投手(21=近大)が「七色の変化球」習得を誓った。3日は奈良・生駒市の近大グラウンドで練習。最速149キロの速球と6種類の変化球を操る即戦力右腕は、開幕までにカーブのマスターに取り組む計画を明かした。

 変幻自在の右手で新たな武器をつかむ。「抜いたカーブを練習して使いたい。緩急が使えれば、もっと直球で差し込める」。試合で主に使う縦のスライダーとカットボール、チェンジアップに加え、フォークボール、パーム、ナックルまで投げられる器用さの持ち主。だが、カーブだけは「強く腕を振って緩い球を投げるのが難しい」と苦手だった。魅力を再確認したのは今年の日本シリーズ。同じく細身の西武岸が110キロ台のカーブを効果的に使い、巨人打線を封じる姿に目を奪われた。「あれが欲しい」。

 完全習得のため、手段は選ばない。普段からテレビや雑誌で一流投手の握り方を見るたびにキャッチボールで試すなど、人一倍の研究熱心。「手本になる人ばかり」と評する先輩投手陣はもちろん、早実時代にエースとしてカーブを武器に活躍した王最高顧問にも「お話を聞いてみたい」と目を輝かせた。鮮烈なデビューに向け、どん欲にレベルアップを目指していく。【太田尚樹】