大補強ソフトBがV最右翼
- ティー打撃で汗を流す細川亨を頼もしそうに見つめるソフトバンク・秋山監督
異例の開幕となった2011年シーズン。特別な思いを胸にフィールドに立つ選手達、希望を選手に託して熱い声援を送るファンが被災者の方々だけでなく、日本中に元気を与える1年の始まりであると確信しています。ここ2週間ほど二転三転した開幕日に各チーム戸惑いながらの調整となり、特に開幕投手となるピッチャーの準備には、ことのほか苦労があったのではないかと思われます。そんな状況の中で各チームどんなスタートを見せてくれるのかが非常に楽しみです。
さて今シーズンのペナントレース、効果的な補強が出来たチームが多く、特にパ・リーグの混戦は楽しさの期待を膨らませます。その中でも特に大きな補強を施したソフトバンク。毎年プレーオフに顔を出しながら悔しい思いを続けて来た積年の思いが、ひしひしと感じられる補強でもあります。もともと投手力には自信のあるところですが、今年は野手陣の充実が感じられます。女房役に細川選手。打線の中軸には内川、カブレラとここ最近の弱点を一気に埋めることに成功しています。従って、大きなけが人さえ出なければシーズン1位に最も近いチームと言えます。それを脅かすチームとしては安定した戦力を持つ西武ライオンズでしょう。細川選手の穴がシーズンに入ってどれくらい響くかということになりますが、投手、野手共に経験豊富で気力、実力とも充実している選手が多いため、チーム力でカバー出来るのではないかと思います。
今年にかける思いは日本ハムもひと際強いのではないかと思われます。斎藤佑樹投手の加入で湧いていることもいいニュースですし、今年のダルビッシュ投手の出来は素晴らしい。もしやオフにはメジャーかと言われていますが、それを目指していれば尚のことこれまで以上の結果が期待出来ます。打線に関しては変わらず安定した繋がりがありますので、鶴岡選手の早期復帰で万全としたいところです。
また、最も奮起を期待したいのは楽天。チーム力云々と言うよりも被災した地域の球団として見せたい姿があると思います。勝つことに最も意味があるチームとして、多くの人々が注目している事でしょう。
残るロッテ、オリックス。この2つのチームがパ・リーグの動きを左右します。昨年日本一のロッテには経験豊富な選手が多く、そこへ岡田、荻野、清田選手などの若い力が加わりさらなる活性化を促しています。オリックスには大補強がどう出るかという期待があり、上手く噛み合えば相当な戦力を抱えていることにもなります。
セは阪神リード、追うGD
- 安打を記録した城島健司(右)と談笑する阪神・真弓監督
対して上位3球団と4位以下と二分されている状況がここ何年か続いているセ・リーグ。戦力を見てみると阪神が層の厚さでリードしています。今年は岩田投手が復帰し、能見、久保、安藤投手など先発陣が充実。更に小林宏投手の加入で中継ぎにも余裕ができ、投手力は万全。城島選手のケガも開幕には影響なさそうで、強力打線は健在です。また、俊介選手の活躍は今後の阪神をより幅広くする大きな要因となりますのでファンの方は期待して下さい。ジャイアンツと中日がやはりそれを追う形になりそうです。ジャイアンツは沢村投手の活躍が大きな鍵です。新人とはいえチーム内での位置は既に中心的とも言えるものがあります。彼には野球界という大きな看板を背負う力があり、多くの人がそう期待しています。是非大きな目標を持って望んでほしいと願います。中日の安定感は今年も健在。少々の悪条件でもチームを導く落合監督の采配と、役割を理解している選手の融合は今年も口うるさい野球ファンをもうならせるのではないでしょうか。それらに続くヤクルトの変化にも期待が持てます。投手力が充実してきており、青木選手を中心としたそつのない打線は上位に食い込む可能性を十分に持っています。
広島、横浜には、そんなセ・リーグの予想を跳ね返す活躍を期待します。ここ何年とBクラスは続いていますが熱いファンの声援に必ず応えなければいけません。その時が今年であってほしいと多くのファンが願っています。個人的にも頑張ってほしい選手が数多い両球団に、熱い思いを持って視線を送りたいと思います。 シーズン到来!熱いシーズンをスカパーで。
- 仁志敏久(にし・としひさ)
- 1971年(昭46)10月4日生まれ。茨城県出身。常総学院高では1年夏に遊撃のレギュラーとして2学年上の島田直也投手とともに甲子園準優勝。夏の甲子園は3年連続出場。早大では4年春に早慶戦史上初のサヨナラ満塁弾を放つなど、当時リーグ最多タイ記録の1シーズン6本塁打。日本生命を経て、95年ドラフト2位で巨人に逆指名入団。1年目から活躍し96年新人王。99年6月25日広島戦でサイクル安打。99~02年二塁手でゴールデングラブ賞。07年小田嶋プラス金銭でのトレードで横浜移籍。09年退団。翌10年に米独立アトランティックリーグ・ランカスター入団。31試合出場で打率2割8厘、1本塁打、3打点。同年6月引退。先頭打者本塁打24本はプロ野球歴代7位。日本でのプロ通算は1587試合出場で打率2割6分8厘、1591安打、154本塁打、541打点。右投げ右打ち。171センチ、80キロ。
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