元横綱朝青龍のおい、豊昇龍(18=立浪)も新序出世披露に臨んだ。三段目取組の合間、春場所から番付にしこ名が載る新弟子として、土俵で紹介された。「豊昇龍~!」と声も掛かった。「気持ちよかったです」と笑みを浮かべた。

 破格の扱い? だった。化粧まわしは兄弟子の新十両天空海(あくあ)に借りたが、実は新品。持ち主がこの日の十両土俵入りで初披露する前に、使わせてもらった。「びっくり。天空海関に本当に感謝です。うれしかった」と話した。

 不思議な縁もあった。色は元朝青龍が使ったこともある金。「叔父さんと一緒です。太陽の色。僕も関取になって化粧まわしを着ける時は金色にしたい。きっと天空海関を思い出します」。デザインはコイの滝登り。故事では昇って竜になる。しこ名と同じ“昇龍”だ。報道陣にそう説明されると「すごい!」と目をむいて驚いた。この日は兄バンザラクチさん、21歳の誕生日でもあった。

 関取へ、横綱へ。あらためて強くなった決意を、叔父にメールで伝えるつもりだ。「本当のお相撲さんになりました、と書きます」。金の化粧まわし姿の写真を添付して。【加藤裕一】