具志堅用高(61)が25日、会長を務める白井・具志堅スポーツジム所属のWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(21)に複数階級制覇を狙わせる考えを明らかにした。

 具志堅はこの日、東京・池袋サンシャインシティで行われた、沖縄めんそーれフェスタ前夜祭に参加し、トークイベント後、囲み取材に応じた。その中で、比嘉が20日のタイトル戦で、ファン・エルナンデス(30=メキシコ)に6回2分58秒、TKO勝ちし、日本初の13戦全勝全KOで世界王座を初奪取し、92年の平仲明信以来、25年ぶりとなる沖縄出身の世界王者となったことに話が及んだ。

 具志堅は「比嘉が今回の世界戦で王者にならなかったら、ジムを辞めると決めていた。女房とマネジャー2人だけには、その覚悟でいれ、と言った」と語った。その上で、ジムの今後について「王者になりましたからね。また、頑張ろうと。ある程度、少しは…ね。彼は、ボクシング界の幾つかの記録を作る夢がありますよ」と継続を明言した。

 具体的に狙っている記録については「デビューから、ずっと連続KOですから。日本の連続KO勝ちの記録は15。それを狙う気持ちはある」と、浜田剛史氏と渡部あきのり(角海老宝石)が持つ、15連続KO勝利の日本記録を挙げた。

 その上で、自身の世界戦連続防衛記録の13を狙わせるかと聞かれると「同じ階級じゃ、無理だね。彼はフライ級の体重では(この先、長い期間は)減量できないね」と断言。複数階級制覇の可能性について聞かれると「バンタムくらいまでは、いきますよ。パンチ力が強いですよ…破壊力が。そのくらいしないと20年、ジムをやった元が取れないよ」と笑った。

 具志堅はトークイベントで、比嘉の世界奪取後、リング上で泣いたことについて聞かれ「20年、かかりましたからね。うれしかったね。僕は、うれしい時にしか泣かない。悔しい時は、1回も泣いたことがない。何くそっ!! と頑張るんですよ」と言い、右拳を握り締めた。【村上幸将】