ボクシングIBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)に、全米へアピールの舞台が用意された。16日のV2戦の前日計量が15日に都内であり、岩佐は55・2キロ、同級1位ドヘニー(アイルランド)はリミットの55・3キロでクリアした。この試合は米スポーツ専門チャンネルのESPN+で有料ライブ配信される。海外進出を目指す岩佐には願ってもない朗報に、完璧勝利でV2を宣言した。

 欧米のボクシング中継は有料ネット配信の新時代に入った。先行しているのがESPN+で、岩佐のV2戦も配信される。米国のファンや関係者が視聴は、進出へのステップになる。岩佐は「とても光栄でうれしい。海外での試合も目標で、名を売るきっかけになれば。第1歩にしたい」と一層気合が入った。

 5月に米ニューヨークで、殿堂のマジソン・スクエア・ガーデンで初観戦した。WBA世界ライト級タイトル戦で、ロマチェンコ(ウクライナ)がリナレス(帝拳)から王座奪取で最速3階級制覇。「大観衆も堂々たる世界のトップの戦いを肌で感じた。このリングに立ちたいと目標が明確になった」と話す。

 相手ににらまれると握手を求め、「動揺していた」とニヤリ。会場では来日した相手家族ら約30人の応援団が大騒ぎ。3年前に英国で世界初挑戦した岩佐は「あの時はブーイング。なんともない」と、初の指名試合で最強挑戦者にも王者の余裕を見せた。

 計量後はうなぎ、夜は馬肉しゃぶしゃぶの必勝パターンでエネルギーを補強した。「チャンピオンロードは邪魔させない。1ポイントも取らせずチャンスに倒しきる。完璧に勝つ」。V2に絶対の自信を見せた。【河合香】