<プロボクシング:WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇30日◇大阪府立体育会館第2競技場王者名城信男(27=六島)判定1-1同級1位ウーゴ・カサレス(31=メキシコ)

  <1回>お互いに落ち着いた立ち上がり。名城がワンツーをヒットさせる。カサレスはラウンド途中にサウスポーにスイッチする。前に出てくる名城に、カサレスが左を出したところに名城のカウンターが決まる。名城はかまわず前に出てパンチをヒットさせるが、カサレスは様子見なのか、前に出てこない。

 <2回>カサレスはオーソドックスで入ってサウスポーに替えるパターン。1回に比べてカサレスが前に出て激しい打ち合いになる。名城がワンツースリーと決めると、カサレスもボディーを返す。カサレスは打ち合っては距離をとり、まだ様子をうかがっているようだ。

 <3回>名城が相変わらず前に出るが、カサレスの下がりながらの右フックをもらい後退。名城はかまわず距離を詰めようとリング際に追い込んでいくが、カサレスは左を出して距離を詰めさせない。最後はカサレスが左をヒットさせた。

 <4回>この回のカサレスはスタートからサウスポー。名城は変わらず前に出ていくが、ワンツーに左フックとカサレスの多彩な攻撃になかなか詰め切れない。残り1分でようやく左フックがヒット。最後は名城も右アッパーを繰り出した。

 <5回>カサレスは左のボディーを繰り出し、名城は体を右に振ってカウンターで返す。1分過ぎに名城が左をクリーンヒットさせるが、その後が続かない。カサレスは詰めてくる名城に左アッパーで対抗する。カサレスがカウンター狙いで、こう着する時間が続くが、残り30秒、名城は左フックをヒットさせた。

 <6回>開始直後、名城が飛びこんでボディーから顔面にヒットさせる。サウスポーのカサレスは右のジャブから左を繰り出す。名城はボディーを狙い、カサレスの動きを止める。名城のパンチが顔面をとらえはじめ、カサレスも強打で反撃する。2人の距離が詰まり、名城のワンツーにカサレスがぐらついた。名城攻勢の時間が続いた。

 <7回>距離を詰めたい名城だが、カサレスは左アッパー、フックを繰り出して詰めさせない。カサレスが右アッパーを繰り出したところを、名城は左右のフックを出してコーナーに追い込んでいく。カサレスは足が止まり始めているが、名城も攻め手を欠きこう着状態。カサレスが左ボディーを出したところでゴングが鳴った。

 <8回>オーソドックスのカサレスが積極的に前に出てきた。左のジャブから右を繰り出すが、名城もワンツーを決めて激しい打ち合いになる。変わらず間合いを詰める名城がカサレスをコーナーに追いつめるが、カサレスも回転の速いパンチで反撃。残り30秒、名城の左フックでカサレスが倒れたがこれはスリップ。カサレスはそろそろスタミナ切れか。

 <9回>口を開けて苦しそうなカサレスに対し、名城はまだ足が動いている。ロープに追いこんで左ボディーを続けて決める。カサレスはスピードが落ち、簡単にロープまで追い込まれる場面が目立つ。それでも、カサレスはそこから名城に間合いを詰めさせず。しのぎきっている。

 <10回>カサレスは左フックから右ストレートを繰り出し、前ラウンドまでと違い意識的に前に出てきている。1分50秒で名城の右が顔面をとらえ、カサレスの動きが止まる。名城はチャンスと見て前に出るが、カサレスは左アッパー、フックを繰り出してかわしきった。

 <11回>カサレスのガードが下がり気味で、名城のワンツーが次々と決まる。名城がカサレスの顔面を正確にとらえ、カサレスの左目から流血。カサレスはロープに追い詰められる時間が続くが、左を出して反撃しかわす。名城はわずかのところでとらえきれない。

 <12回>両者が勝負をかけ、激しい打ち合い。名城が右を決めると、カサレスもワンツーで反撃する。1分半過ぎ、名城の連打でカサレスがコーナーに腰を落とす。名城は捨て身で前に出て連打を続ける。それでもカサレスはあと一歩のところでカウンターを繰り出して踏みとどまった。最後はリング中央で打ち合ったところでゴングが鳴った。

 判定は116-112、114-114、112-116の三者三様のドロー。名城の2度目の防衛が決まった。