全日本プロレスの渕正信(60)が22日、デビューから40周年を迎えた。1974年(昭49)4月22日、大仁田厚戦でデビューしてから40年、全日本一筋でここまできた。

 故ジャイアント馬場さんの死後、分裂を繰り返してきた全日本だが、渕はその都度団体にとどまり、今や唯一の生え抜き選手となった。「1973年(昭48)に入門したんだけど、父の病気でいったん退団して、1年後に再入団した。その間に入門した大仁田とデビュー戦をやることになったんだ。四国への移動のフェリーの中で馬場さんに『お前、今日試合やれ』って言われてね」と渕は当時をなつかしんだ。

 馬場さんからの「どんな状況でもプロレスラーはふらついたらダメ。きれいじゃなくちゃいけない。バランスを大事にしなさい」という教えを胸に、受け身や投げ、キックなどの基本練習をみっちり積んできた。今でも会場を沸かせるドロップキックや、抱え上げたときに1度ピタリと止まるボディースラムは、若手選手のお手本となっている。

 今年1月3日に還暦記念のリングに上がった後、白内障の手術のため、今日23日の40周年記念試合が3カ月ぶりのリングとなる。22日には病院で白内障の検査を受け、整骨院に行って試合に備えた。「お客さんと約束したドロップキックをやりますよ」と渕は明るく宣言した。