米国総合格闘技団体UFCへの参戦を表明した北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧(22=国士舘大4年)が、またまた奔放発言を連発した。22歳の誕生日となった19日、都内のホテルで行われた「2008毎日スポーツ人賞」の表彰式に出席。来年3月の卒業がピンチになっていると明かすと「卒業させない大学が悪い」「卒業証書は破り捨てます」「自分は明治大学で強くなりました」などと言いたい放題だった。

 久々の石井節だった。「2008毎日スポーツ人賞」の表彰式後の会見。石井は「先生に言われて、大学も卒業は無理なんで…。1日ぐらいしか行ってないんで」と、来年3月の卒業が難しくなっていると大学側から通告されたと明かし、「卒業させない大学がいけない」と言い放った。「温情措置」のような形で、卒業証書を手にしたとしても「そんなもん(卒業証書)破り捨てますよ!」と、吐き捨てるように言った。

 関係者によると、石井は11月上旬に行われた国士舘大「体育学部創設50周年記念行事」に出席すれば「卒業確定」というような口約束を大学関係者と交わしていたという。だが、石井によると、ここ来て大学側は「単位が足りないから卒業できないとか言い始めた」という。それでも、石井には「柔道の最高峰の大会(五輪)に国を代表して出て金メダルまで取っているのに、何を今さら…」という気持ちが強くあり、今後も授業に出るつもりはないという。

 谷前信治マネジャーは「残り2~3科目と聞いている。でも本人の尻をたたいてもね…。留年はない。単位が残ったら休学、あるいは中退することもありうる」と話した。

 やや感情的になっている向きもある石井節は止まらない。国士舘大体育学部武道学科の学生にもかかわらず、明大の柔道部に出げいこしてきたことを理由に「どっちかというと、自分は明治大学で強くなりました」。「金メダル獲得という最高の1年を振り返って」という質問に対しては「過去の栄光は情熱の妨げになるので、見ない」とまで言い切った。

 一方で、UFCへの参戦の話題には笑顔で答えた。27日のUFC92大会の視察に向けて「チケットは手配しました」と意欲満々。26日には渡米する予定で「契約は話し合い次第。すぐに(試合に)出すとか言われたらしないけど。来年の秋(デビュー)を目標にやっていきたい」と話した。来年3月に国士舘大を卒業見込みの石井の目は、卒業ではなく完全にUFCだけに向いている。