<プロボクシング:WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇26日◇タイ・ウタラディット

 WBA世界フライ級12位・久高寛之(24=仲里ATSUMI)が、鬼門のタイで散った。同級王者デンカオセーン・クラティンデーンジム(タイ)に1-2判定で敗れ、日本選手のタイでの世界挑戦(決定戦を含む)は12戦全敗。同国を含めた海外挑戦は92年にメキシコ市で平仲明信がWBAスーパーライト級王者となって以来、26連敗となった。

 チャンスはあった。ジャッジ3人の内訳は115-112と114-112で2者が王者を支持、残る1人は115-113で久高。地元判定が露骨といわれるタイでの惜敗に久高は「ものにできなかったのは残念。一発当てて畳み掛けてもクリンチで逃げられた。攻め切れなかった」と悔やんだ。

 王者は5回にパンチを浴びて前のめりに崩れたが、主審はスリップと判断。中盤以降はスタミナ切れで失速し、後頭部を殴る反則などで2度減点を科せられた。だが、久高も決め手を欠き、昨年7月に続く2度目の世界挑戦も失敗。それでも「今度は日本でやりたい」と再起に意欲を示した。