<プロボクシング:WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇27日(日本時間28日)◇メキシコ、ヌエボ・ラレード

 17歳で来日して日本でプロデビューしたWBA世界スーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス(23=帝拳)が、同級11位ホサファト・ペレス(メキシコ)を8回TKOで破り、初防衛に成功した。変則サウスポーの相手に、序盤はじっくりと応戦。8回に右ストレートでダウンを奪うと、その後も連打を浴びせてストップ勝ちした。試合が2度も延期されるトラブルに負けず、アウェーで圧勝。通算27戦全勝(18KO)とし、次戦は第2の故郷・日本での防衛戦を希望した。

 8回、リナレスが危険なファイターに変身した。左ジャブを突く堅実なボクシングから一転、打ち合いに出た。右フックから左アッパー、右ストレートと畳み掛けてダウンを奪った。立ち上がった挑戦者に、ワンツーを浴びせると、レフェリーが試合を止めた。昨年11月の王座決定戦に続くストップ勝ちに「KOで勝ててうれしい。気持ち良かった」と笑顔を見せた。

 3月の試合予定を右まゆの上の負傷で断念。さらにメキシコの新型インフルエンザ騒動で再延期となった。だが、アジア初の4階級制覇王者パッキャオ(フィリピン)とスパーリングをするなど万全の状態に仕上げた。「6カ月間ずっと練習ができた。僕はまだ負けない」。

 17歳でベネズエラから来日し、日本でプロデビューした。しかし、4度の世界戦はすべて日本国外。第2の母国での防衛戦は夢でもある。「今度は日本でやる」。秋にも予定される2度目の防衛戦を、がい旋試合にするつもりだ。