WBC世界バンタム級王者で日本ボクシング界のエース・長谷川穂積(29=真正)が、柔道界の新エースと共闘だ。28日、WBO同級王者フェルナンド・モンティエル(31=メキシコ)との11度目の防衛戦を前に、柔道男子100キロ級の穴井隆将(25=天理大職)と交流を温め「最強タッグ」を結成。勝利の誓いを胸に、リングに上がる。12年ロンドン五輪での活躍も期待される穴井とは、4月上旬に関係者を通じて知り合った。かねて長谷川の大ファンという穴井が全日本選抜体重別選手権で優勝した直後、福岡から東京に戻る途中に神戸に立ち寄り、初対面。フルコース料理に舌鼓を打ちながら「お互い頑張りましょう」と健闘を誓い合った。

 29日に柔道・全日本選手権、30日にはボクシング・ダブル世界戦が同じ東京・日本武道館で開催。長谷川は「1日だけの違いで試合するので、刺激になる」と語った。穴井も「長谷川さんはまじめで、人間的にもできた人」と兄貴分を絶賛。昨年に続く2連覇で、長谷川に勢いをつなぐ覚悟を示した。

 この日の調印式でもV10王者は落ち着き払っていた。「スピードでは自分が勝っている。判定でもKOでも、勝てるように努力したい」と勝利宣言。その後練習を打ち上げ、体重はリミットに到達した。29日の計量後、体調次第で穴井の戦いぶりを生観戦する可能性もある。【大池和幸】