国内最速記録となる7戦目での世界王座獲得を狙うWBCミニマム級10位の井岡一翔(21=井岡)が「逆KO宣言」した。明日11日の世界戦に向けた予備検診が大阪市内で行われた9日、王者オーレドン(25=タイ)が「7回以内にKO」すると挑発。井岡は「逆にそうなる」とやり返した。決戦を前に両者ヒートアップしてきた。

 ゴングを2日後に控え、早くも“戦い”が始まった。予備検診後の会見。オーレドンが口火を切った。「7回以内に倒せる。KO勝ちを確信している」。このKO宣言に井岡がカウンターを返した。「逆にそうなると思う。チャンスは多くないと思うが、生かしていけばKOにつながる」。

 王者が「7回以内」と言った根拠を、井岡のおじで元世界2階級王者の弘樹氏が分析した。「スタミナは一翔が上。前半勝負ということでしょう。その展開も想定している」。王者は過去の防衛戦で後半失速している。後半になるほど新王者誕生の可能性が増すと、弘樹氏は感じ取った。

 神戸開催の世界戦は過去10試合。王者が9度防衛と挑戦者には「鬼門」だが、21歳の自信は揺るがない。「初めての世界挑戦でも不安はない。1戦でも早く世界戦をやりたかった。複数階級制覇も狙っている。王者になってからがボクシング人生の始まり。人生をかけて戦う」。所属ジムに戻ると、軽く汗を流す体重調整で練習を打ち上げた。6度防衛を誇る安定王者をKOし、スター街道を突き進む。【大池和幸】