WBA世界バンタム級王者亀田興毅(24=亀田)が、アントニオ猪木(68)の眼前で闘魂継承をアピールする。今日31日の同級7位ダビド・デラモラ(23=メキシコ)との2度目の防衛戦(東京・日本武道館)に猪木が来場することが30日、内定した。「燃える闘魂」継承を目指している興毅にとって最高の舞台が整った。東京・赤坂のTBSで一般公開の前日計量に臨み、挑戦者とともに53・5キロで1発パス。

 約200人が集まった一般公開の前日計量で、興毅が闘魂を燃やした。計量パス後の写真撮影時、挑戦者デラモラからチョコレートを渡される挑発パフォーマンスを受けたが、強烈なメンチ切りで応じ「誰かにやれと言われて仕方なしにやっただけやな。気が小さいな」と一触即発ムードを歓迎。計量パスした安堵(あんど)感も加わり、満足顔で会場をあとにした。

 燃える理由がある。試合会場に、アントニオ猪木が来場することが内定した。猪木サイドによると当初はスケジュール上の問題で困難だった来場が急きょ可能になったという。

 26日の予備検診後に興毅は「闘魂を継承したい。勝って『元気ですかー、1、2、3、ダーッ!』をやりたい。2代目アントニオ。アントニオ興毅やな」と宣言したほど心酔しているだけに、最強の援軍となりそうだ。

 猪木の来場を知った興毅は「いつか『炎のファイター』で入場したいな。もともと猪木さんがアリからプレゼントされた曲。またボクシングに曲を戻したい。アリから猪木さん、オレと継承していきたい」と希望を口にした。猪木の目前で闘魂ファイトを認めてもらえれば、一気に希望が実現する可能性もある。「最高のKOがしたい。バーンと倒して10カウントや」と興毅。闘魂継承を前進させるため、派手なKO勝利で自身初のV2防衛を成功させる覚悟だ。【藤中栄二】