ボクシングの東洋太平洋ライトフライ級王者・井上尚弥(20)の弟拓真(18=ともに大橋)が、今年4月に予定されるプロ2戦目で世界ランカーと対戦することが27日、内定した。所属ジムの大橋秀行会長(48)が明かしたもので「拓真が、尚弥を超えるプロ3戦目で日本王座奪取を目指すため」と説明。外国人選手を中心に対戦相手の候補を絞り込んでいるという。

 「怪物」と呼ばれる兄尚弥は昨年8月、プロ4戦目で世界ランカーでもある日本ライトフライ級王者・田口良一に判定勝ちし、日本最速タイ記録での日本王座奪取に成功した。続く同12月のプロ5戦目でも、日本最速タイ記録で東洋太平洋同級王座も獲得。兄をライバル視する拓真は「何か1つでも兄を超える記録をつくりたい」と、異例のマッチメークにも前向きだ。

 昨年12月のプロデビュー戦で日本ミニマム級8位・福原辰弥に判定勝ちし、同級7位にランクイン。2戦目で世界ランカーに勝利すれば世界ランキング入りも確実で、日本ランキングも一気にアップする可能性が高い。それだけリスクの高いマッチメークとなるが、大橋会長は「(WBC世界フライ級王者)八重樫とスパーリングしても互角にやってしまう。世界ランカーに勝つ実力はあるでしょう」と太鼓判を押した。【藤中栄二】

 ◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年(平7)12月26日、神奈川・座間市生まれ。兄尚弥の影響を受け、小学1年から本格的にボクシングを始める。綾瀬西高1年時の11年インターハイでライトフライ級優勝。翌12年のJOCジュニアオリンピックカップも制覇した。アマ戦績は52勝(14RSC)5敗。昨年10月にプロ転向を表明し、プロテストに合格。家族は両親と姉、兄。身長162センチの右ボクサーファイター。