<プロボクシング:WBO・IBF世界ミニマム級王座統一戦12回戦>◇9日(日本時間10日)◇メキシコ・モンテレイ

 IBF世界ミニマム級王者高山勝成(31=仲里)が、日本初の主要4団体制覇に失敗した。WBO同級王者フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(21=メキシコ)との統一戦に、0-3の判定で敗れた。3回に不本意なダウンを喫した後も果敢に攻めたが、敵地での偉業は成らなかった。今後の進退は保留。高山の戦績は27勝(10KO)7敗1無効試合となった。

 念願の4本目のベルトをつかみ損ねた。激闘の12回を終えた高山は判定の結果を待つ間、右拳を胸の付近で握り締めた。結果は0-3の大差判定負け。「敵地でやると決めた以上、仕方ない。それ以上に、ロドリゲスにおめでとうと言いたい」。悔しさを抑え、アウェーの結末を受け入れた。

 痛かったのは、3回だ。相手のアッパー気味の左フックを、後方に下がりながら食らった。足がもつれたこともあり、尻もちをついた。高山はスリップをアピールしたが、レフェリーはダウンと裁定。「相手を勢いづけてしまった」と唇をかんだ。4回以降は、21歳のロドリゲスをロープに追い詰める場面もあった。だが、決定打が出ない。「うまい距離感のところでつぶされ、自分のボクシングができなかった」。WBCとWBA暫定王座を獲得後、海外を転戦し昨年IBF王者になった。だが、最後のWBOには届かず、3度目の防衛にも失敗した。

 高山は今後について「まずは体を休めて、ダメージも見てから、どんな道を進むのか考えたい」と進退を保留。階級を上げての再起にも「今は何も考えてない」と白紙を強調した。

 ◆高山勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市生まれ。中2でボクシングを始める。01年ライトフライ級で全日本新人王獲得。05年WBC世界ミニマム級王座、06年11月WBA同級暫定王座、13年IBF同級王座獲得。158センチの右ボクサーファイター。

 ◆日本ジム所属選手のメキシコでの世界戦

 13年8月31日にWBC世界ライトフライ級王座に挑戦した角谷淳志(金沢=TKO負け)以来、通算20度目。通算成績は7勝13敗。メキシコでの世界戦勝利者は柴田国明、平仲明信、ホルへ・リナレス(2勝)、西岡利晃、高山勝成、三浦隆司。