10代新十両で、東13枚目の佐藤(19=貴乃花)が、連敗を2で止め9勝目を挙げた。

 同8枚目の東龍(29=玉ノ井)を、持ち味でもある前に出る相撲で常に先手を取り、押し出しで快勝した。10日目を終え2敗で4人が並んでいた。この日は朝弁慶と宇良が敗れ3敗に後退したため、佐藤は千代の国(25=九重)とともに9勝2敗でトップに並んでいる。

 初日から破竹の8連勝も連敗。「小さいころから切れると怖いオヤジ」という父一哉さん(54)から前日、携帯に何度も着信の表示があり、折り返しかけ直すと案の定、雷を落とされたという。逆に相撲内容が良ければ電話での会話でなく、ライン(無料通信アプリ)で連絡があるという。「今日も(何かしら)あると思うけど、今日の相撲でラインじゃなかったら、どんな相撲を取ればいいのか」と笑うほど、本人も満足する相撲内容で、2桁勝利に王手をかけた。

 「男に生まれたからには、天下を取らないと駄目だぞ」と、横綱貴乃花と織田信長からそれぞれ1字を取り「貴信」と命名された佐藤。「残り4番も楽しみです」と再びエンジンを吹かす。