陥落した幕下で2場所目の西6枚目豊ノ島(33=時津風)が、4勝目(1敗)を挙げ2場所連続の勝ち越しを決めた。

 相手は貴乃花部屋のホープで双子の兄弟の弟、貴源治(19)。先場所も対戦し敗れていた。この日は、相手の突っ張りを下からあてがいながら前進。機を逃さず右の上手を引くと、左も差しながら懸命の寄り。粘る貴源治を向正面に寄り切った。

 「勝ったから言えるけど、さすがに同じ相手に2度は負けられなかった」と、経験豊富な14歳年上の意地をのぞかせながらも、先場所同様に「(関取が結える)大銀杏(おおいちょう)で対戦したい相手。今、横綱とやっても負けん気をむき出しにしそうなところに魅力を感じる」と若武者をたたえた。

 さらに「年齢を重ねたオッサンだけど、自分が壁になってそれで向こうも強くなってくれれば」と続けた。残り2連勝なら、状況次第で再十両の望みもあり「(勝ち越したことで番付が)落ちることはない。あとは思い切って全部、勝つつもりで行きます」と2場所での関取復帰を目指す。

 一方、敗れた貴源治は「次、頑張ります。今日はそれだけです」と言葉少な。こちらも残る2番に、新十両昇進の望みを残している。