元関脇で西幕下17枚目の豊ノ島(34=時津風)が、3勝1敗で迎えた5番相撲に勝ち、2場所連続の勝ち越しを決めた。

 初顔となった東幕下21枚目の海龍(27=出羽海)と対戦。突き押しの応酬も、常に圧力をかけ前傾姿勢を保った。適度な距離を取り、機を見ていなしながら相手の体勢を崩すなど、ベテランらしい攻撃相撲。再び海龍が飛び込もうと突っ込んできたところで、体をうまく開きながら、右から突き落として4勝目を手に入れた。

 「圧力をかけながら、うまくさばけた。だいぶ、自分らしい相撲だった」と豊ノ島。勝ち越しに王手をかけた8日目の4番相撲後に「会心の相撲すぎた」と自画自賛したように、納得いく相撲が続き星も伴うとなれば、自然と笑みがこぼれる。「最優先の目標」と話していた勝ち越しを決め、来場所は7戦全勝なら関取復帰確定の幕下15枚目以内が確実。もちろん残り2番も納得いく白星を積み上げ、幕下陥落から丸1年となる11月の九州場所へ満を持して臨む。