大相撲の前頭友風(24=尾車)が、横綱からの直接指導を初体験した。

31日、福井・越前市で行われた夏巡業の朝稽古で、小結竜電らと申し合いを行った後、横綱白鵬に指名された。約7分間、ぶつかり稽古で胸を借り、砂まみれになった。今回の巡業で白鵬は、新十両2人に胸を出していたが幕内力士では初。名古屋場所優勝の横綱鶴竜を唯一破り、金星と殊勲賞を獲得した実力を認められて、振り向かせた格好だ。

十両時代を含めても、現在の両横綱、元横綱稀勢の里(現荒磯親方)の誰とも稽古した経験はなかった。それだけに「幕内にずっといても、指名されない人もいる。貴重な経験。横綱の偉大さを感じた」と感謝した。白鵬との対戦はまだないが、来場所は上位総当たりとなる自己最高位に番付を上げる可能性が高く「強くしていただけた感じがする」と、恩返しの白星に意欲的。白鵬も「思い出に残ってもらえたらうれしい」と、成長を期待していた。