大相撲の元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男の納谷幸成(18=大嶽)が30日、福岡市内で行われた九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新弟子検査を受検した。

183センチ、135キロと測定され、体格基準は満たしており、内臓検査の結果を受けて、初日に合否が発表される。

合格となれば、九州場所の前相撲で初土俵を踏むが、しこ名を「夢道鵬(むどうほう)」と予定していることが判明した。同じしこ名の力士が同時に存在することはできず、元貴闘力の三男の兄幸之介が「納谷」の本名で幕下土俵に立つため「納谷」のしこ名は使えない。そのため、師匠の大嶽親方(元十両大竜)と相談して決めたという。納谷幸成は「『夢』はおじいちゃんが好きだった文字。『道』は尊敬する(母校の)埼玉栄の山田(道紀)先生(監督)から。『鵬』はおじいちゃんのしこ名からもらいました。まだ慣れないですね」と説明した。

現在は埼玉栄高3年として在学中で、今後は補習などで学校側の協力も得て、部屋で生活しながら出世と卒業を目指していく。27日から部屋に合流し、兄弟子となる兄の納谷幸之介には敬語で話しているが「高校でも先輩だったので」と、違和感はない。むしろ幼少から身に着けた覚えのない着物やげたに「まだ慣れない」と、苦笑いを浮かべる。

大鵬ゆかりの文字が2つも入るしこ名を予定しているとあって「大鵬の孫」と呼ばれ、注目されることも承知の上だ。「注目していただけるので、それに見合った活躍をして、自分を見ていただけるようにしたい。関取を目指していきたい」。一力士として人気、実力を身に付けたい意気込みをのぞかせた。