元小結松鳳山(38=放駒)がレアケースで引退した。元三役ながら、親方として協会に残らない珍しい身の振り方になる。28日に東京・両国国技館で会見し、「あんまり自分は指導者に向いていないと思う」と話し、今後は別の道を歩む意向を示した。

2000年以降に引退した力士のうち、三役以上を経験していたのは松鳳山が69人目(横綱9人、大関12人、関脇24人、小結24人)。この69人のうち46人が、今も親方として日本相撲協会に残っている。

角界を去った23人のうち、野球賭博や八百長問題など不祥事がきっかけでやめた人は8人。1度は親方になったものの協会を退職した人、親方になるための日本国籍を取得していなかった人などを除くと、残るは追風海、隆乃若、千代天山、松鳳山の4人だけになる。この4人は、三役経験者であり、不祥事に絡む引退ではなく、日本国籍でありながら、親方にならなかった(なれなかった)レアケースだ。

隆乃若はタレントなども務めると同時に、「宅地建物取引士」や「管理業務主任者」などの資格を取得。現在は不動産業界に身を置く。追風海は青森県議を務め、7月の参院選に出馬した。

親方になるには日本国籍を取得しており、基本的には(1)最高位が三役以上(2)幕内に20場所以上在位(3)十両以上に30場所以上在位のいずれかを満たす必要がある。親方になれば、65歳の定年、さらには再雇用制度を利用すれば70歳までは身分が保障される。

松鳳山は引退会見で「あんまり自分は指導者に向いていないと思うしプレーヤーでいたいと思う」と言った。自らの意思で、新たな道を歩んでいく。

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