AKB48が、グループ結成10周年を迎えた。東京・秋葉原のAKB48劇場では、現役と卒業生を合わせた総勢171人のメンバーで「AKB48劇場10周年記念特別公演」を開催した。

 月刊AKB48グループ新聞に執筆中のアイドル発掘・応援総合情報サイト「スクランブルエッグ」の岡田隆志編集長は10年前、AKB48の劇場初公演を観客7人のうちの1人として目撃した。

 「関係者含め客席に約70人。だから決してさみしい雰囲気ではなかった。ただ見渡すと一般ファンらしき人は確かに数人だけでした」と振り返った。公演前日の関係者向けリハーサルを見て「これは初日も見ておかないと」と1000円の着席チケットを購入。「素人が、とにかく一生懸命に歌って踊っていました。その姿に観客も応援しよう成長を見守ろうと、自然に思えてきた。未完成の段階から見せていく戦略が、人を引き付けました」。

 世間的に秋葉原の狭い劇場で人知れずに始まった印象だが、アイドル界では「黒船級の大規模」だったという。「最初から舞台装置も整備された専用劇場を設け、どの楽曲もしっかりしている。電通と秋元康氏が組んだ規模は、地下アイドルばかりの10年前では異例でした」。

 オープンから約2カ月で満員になった。「日ごとに熱気が高まる光景に、当初から日本武道館まではたどり着けると思えましたよ。ただ、さすがに東京ドームまで行けるとは誰も思わなかったですが」。