AKB48チーム4が25日、東京・秋葉原のAKB48劇場で解散した。AKB48内の4チームの中で最も歴史の浅かったチーム4は、この日の「僕の太陽」公演千秋楽をもって終了。1つのチームが消滅するのは、AKB48の約7年の歴史で初めて。今後は11月1日からのチーム改編(新組閣)に伴い、昨年9月までの旧来の3チーム体制(チームA、K、B)に戻る。

 キャプテン大場美奈(20)は、最後に泣きながら漏らした。「皆さんの心の中に、ずっとチーム4を留めておいていてください…」。盟友島田晴香(19)のスピーチが布石だった。「離れ離れになりたくありません。でも今、新チームのレッスンで私たちは初めての刺激をいっぱい受けています。個々に成長して、いつかまた集まれた時に『解散しなきゃ良かったね』って言われるようになっていたい」。AKB48グループ初の屈辱を糧に飛躍すると全員で誓うと、青春の1ページを忘れないでと願った。

 AKB48の中で異色のチームだった。1年前の11年10月10日、正規メンバーに昇格したばかりの9期生8人と10期生2人の10人で公演を開幕させた。AKB48選抜総選挙の上位メンバーのいない若手だけの集団。すぐに一般的な認知度を獲得するまでには至らなかった。3月には、AKB加入直前に仙台で東日本大震災に被災した12期研究生岩田華怜(14)らも昇格して全16人がそろった。大場は「なかなか打ち解けられずに団結力も弱かった私たちは、やっと夏ぐらいから、まとまってきた。まさに、これからという時でした」。不完全燃焼が悔しかった。

 ただ実は、今回の新組閣は秋元康総合プロデューサー(54)の期待の裏返しでもあった。AKB48人気の急上昇後に加入した若手同士でいるだけでは、長い下積みをへて培ってきたAKB48特有の“雑草魂”を学ぶことができない。「このメンバーたちが今後のAKB48を支える存在にならなければならない」。秋元氏やスタッフの思いだ。解散は、先輩の背中を毎日追いかけられる環境を用意するためだった。

 実際に、11月1日からの3つの新チームによる初日公演の先発出演メンバーには、チーム4メンバーからは16人中14人が入った。Aは10人、Kは12人、Bは10人と比べれば、期待の大きさは明らかだ。大型新人と期待されていた研究生の光宗薫(19)は前日24日にAKB48を脱退。次世代センター候補と呼ばれる島崎遥香(18)らに寄せられる期待はますます大きくなっている。【瀬津真也】