昨年末に公開された「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の大ヒットが記憶に新しいところですが、この年末にはシリーズ初となるスピンオフ作品「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開されます。初の予告編が先日公開され、これまでベールに包まれていたストーリーの一端が初めて明かされました。2017年に公開される「フォースの覚醒」の続編が待ち遠しいファンたちの間では、「エピソード3/シスの復讐」(05年)と「エピソード4/新たなる希望」(78年)の間に位置する「ローグ・ワン」で女優フェリシティ・ジョーンズ演じる主人公ジン・アーソが、実は「フォースの覚醒」の主人公レイの母親なのではないかとうわさが出るなど、ジワジワと盛り上がりを見せています。

 そんな中、早くも2年後に公開予定のスピンオフ第2弾も本格始動しています。同シリーズは、2020年まで毎年新作を公開することが発表されており、2018年にはハリソン・フォード演じるハン・ソロの若き日を描いた作品が公開される予定です。本作のソロ役を巡っては世界中から俳優が参加した大規模なオーディションが行われ、数名に候補者が絞られたと伝えられていました。そんな中、正式発表はないものの、アルデン・エーレンライクに決定したのではないかと一部メディアが伝えています。

 エーレンライクは、1989年ロサンゼルス生まれの26歳。小学生の頃から演技を始め、高校卒業後はニューヨーク大学で演劇を学んでいます。フランシス・フォード・コッポラ監督の「テトロ 過去を殺した男」(09年)のオーディションに合格して本格デビュー。以降、フォード監督のホラー映画「Virginia/ヴァージニア」(11年)、パク・チャヌク監督の「イノセント・ガーデン」(13年)、ウディ・アレン監督の「ブルー・ジャスミン」(13年)などに出演。今年に入ってからは、コーエン兄弟監督の最新作「ヘイル、シーザー!」で、ジョージ・クルーニーやスカーレット・ヨハンソンらと共演して注目を集める若手俳優です。

 報道によると、最終候補として残っていたのは、「キングスマン」(15年)などで知られるタロン・エガートンと「トランスフォーマー/ロストエイジ」(14年)のジャック・レイナーの3名だったようですが、最終的にスクリーンテストの演技がずばぬけていたエーレンライクに決定したと伝えられています。現時点では、若かりし日のソロを描いた作品となること以外は、タイトルも不明。相棒のチューバッカが登場することは発表されていますが、プロットやストーリーなども明らかにされていません。しかし、フォードが演じてきた人気キャラクターだけに、ファンの間では複雑な思いもあるようで、早くもネット上では賛否両論の声があがっています。

 国民的スターであるフォードの若い日の役など、誰が演じても批判が起こることは想定内でしょうが、今のところ「似ていない」「ソロのイメージじゃない」という声が一番多いようです。しかし、早くも「ローグ・ワン」にカメオ出演してお披露目されるのではないかともうわさされており、ひょっとすると年末にはその真価を一足先に問われることになるかもしれません。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)