世界中に大旋風を巻き起こし、いまだに人気が衰えない大ヒットアニメ「アナと雪の女王」に続くディズニー作品「ビック・ヒーロー・シックス」が、7日にいよいよ全米公開されます。ディズニー作品54本目となる本作は、なんとディズニー史上初めて、日本人の少年が主人公。しかも、「バットマン」や「スーパーマン」などで知られるアメリカン・コミックのレーベル「マーベル」との初コラボという異色の作品です。サンフランシスコと東京をミックスした架空都市サンフランソウキョウを舞台に少年ヒロと人間の心と身体をケアするために生まれたロボット、ベイマックスの心温まるアクションアドベンチャーは、この冬多くの人に暖かい愛と感動を与えそうです。

 原作は政府が組織した日本人のスーパーヒーロー6人の活躍を描いたものですが、映画版は天才科学少年ヒロとベイマックスが心を通わせるハートウオーミングなストーリーで、原作とはだいぶん異なる内容。唯一の肉親だった兄を事故で失ったヒロが、悲しみにくれる中で出会った兄が製作した白い風船のようなふわふわした巨漢のケア・ロボットのベイマックスと一緒に死の真相を探るために悪と戦う物語です。人をケアするために生まれた戦闘能力ゼロのベイマックスとヒロのコミカルなやり取りは、観ていて心が温かくなります。

 主人公が日本人ということもあり、作品の随所に日本的な要素が散りばめられています。ヒロとベイマックス、そして仲間たちが戦う相手は歌舞伎のお面をかぶったミスター・カブキ。ヒロと一緒に戦う仲間の名前はワサビ。丸くてふわふわのベイマックスは、日本の鈴をイメージしてデザインされたつぶらな瞳の持ち主。サンフランソウキョウの街中には招き人形や日本語の看板などもたくさん登場。ベイマックスは空手もマスター…と、作品は日本愛に溢れています。

 ディズニー作品では過去に「カーズ2」で東京が舞台として登場していますが、ここまで日本をフィーチャーしたのは初めて。ディズニー映画には不釣り合いに見える主人公2人が繰り広げるアドベンチャーが、どこまで「アナと雪の女王」に迫れるのか注目です!

(このコラムの更新は毎週火曜日です)