今年、あっと驚かされたニュースといえば、オスカー俳優同士のカップルとして注目を浴びていたシャーリーズ・セロン(40)とショーン・ペン(55)の破局だ。交際がスタートしたのは13年12月で、正味1年半でのあっけない幕切れ。昨年12月には婚約までしていたのに、ラブラブから一転、セロンが突然、一方的に関係を断つという、まるでジェットコースターのような恋愛の行く末をたどってしまった。交際が発覚した当初は、誰がこんな終わり方を想像しただろうか?

ショーン・ペンとシャーリーズ・セロン(ロイター)
ショーン・ペンとシャーリーズ・セロン(ロイター)

 世間では「美女と野獣みたいな組み合わせ」という意見が多かったのも事実。しかし、ペンといえば、これまでスカーレット・ジョハンソンやナタリー・ポートマンなど、かなり年下の美人女優たちと浮名を流してきたモテ男だ。悪な魅力が女性を引きつけるペンだけに、セロンもそんなフェロモンにやられてしまったのか。もちろん、オスカー受賞者同士ということで、お互いにリスペクトし合い、刺激し合える部分も多かったのかもしれない。

 2度の離婚を経験しているペンは今年3月、エスクワイア誌英国版のインタビューで、「54歳にもなって遅すぎるのかもしれないが、今になって愛する人に出会えるなんて、より情熱的で、より深く、より本物だと感じる。それに、神様! 最高に幸せなんだ。よりロマンチックで、大きな充実感がある」などと、セロンへの熱愛ぶりを激白していた。「自他共に認めるバッドボーイのペンがここまで言うとは、泣かせるなあ。54歳にしてトゥルー・ラブか、本物かも! 」と感心していたその矢先の破局である。セロンもまた、今年4月の米エスクワイア誌インタビューで、「私って、とっても、とっても、とっても、ラッキーガール。彼はホットな男よ」、「彼は私にとってパートナーであるだけでなく、生涯の恋人」などとのろけまくり、かなりほれこんでいる様子だったのだが……。

 お互いこれ以上の相手はいない! というぐらいラブラブだった2人が、なぜ急に別れることに? 破局原因についてはいまだに謎のままだが、2人は今年5月、カンヌ映画祭に仲良く出席したその直後に破局。ペンの内部関係者が米誌に明かしたところによると、セロンはペンとの連絡を突然、絶ったという。熱烈に愛し合っていた相手に対し、一方的に連絡を絶つということは、よほどのことがあったに違いない。映画祭出席の後にけんかになり、セロンがペンのことを「絶対に許せない」と思ってしまうほど、決定的な事件があったとのうわさも報じられている。なるほど、最初の妻マドンナとの離婚原因はDVだったともいわれており、パパラッチに対する暴行で裁判沙汰になるなど、とにかく、昔から暴れん坊キャラで知られるペンだけに、けんかの最中、つい乱暴な言葉を使ったり、暴力を振るってしまった、などということも十分に考えられる話だ。

 そんな2人は7月末、ペン監督&セロン主演の映画「The Last Face (原題)」の撮り直しのため、撮影セットで再会。微妙に距離を置き、よそよそしい表情で言葉を交わす、気まずい雰囲気の2人の連続写真がメディアに流れていた。セロンは子供時代、家庭内暴力に苦しんだ母親が、父親を銃殺するという壮絶な経験をしているだけに、身体的、あるいは言葉による暴力に対して、人一倍敏感だといわれている。4歳になる養子ジャクソン(8月に2人目の養子を迎えている)への影響を考えると、よけいに、ペンに対して我慢できないことがあったのだろうか。夢中だった頃には見えなかったものが1年半で見えてしまった、ということなのかもしれない。

【鹿目直子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「SPY!CELEBRITY」)